つばの黄色いスニーカー

一度も会ったこともないあの人は、実はとても身近な人かもしれない。自分の足元だけ見て生きている時、わたしもあの人を不幸にしている、犯人かもしれない。

いのちつむぐ芸術祭、終了しました!

遅くなりましたが、10/27(日)~11/3(日)に開催した台風19号の被災地へのチャリティーイベント『いのちつむぐ芸術祭』は無事、終了しました。 

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本当にたくさんの協力者、出演者、作家さんにご協力いただき、約一週間のイベントを終えることができました。
どの日も、驚くほどあたたかい時間が過ぎ、参加者の皆さんと一瞬一瞬をともにできたことに、感謝の想いで胸がいっぱいです。

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いのちつむぐ芸術祭は、映画『1/10 Fukushimaをきいてみる』をフィナーレのイベントとして開催するために、 たちあがった企画です。

福島の現状についての情報が耳に入らない人たちに多く参加してほしいという目的があったため、たくさんの方にご協力いただき、11/3まで一緒に芸術祭をともに創り上げてきました。

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また、参加費をいただいた日は、上映会にかかる費用や展示会などにかかる費用に活用させていただく予定でした。
しかし、台風19号が東日本をおそったため、急きょ、それらの参加費は被災地へ送ることに変更いたしました。

集まったお金は、10/27、10/29、10/30の参加費と、10/27~11/3間に常設した募金箱と合計して63,378円となりました。皆さま、本当にありがとうございます。

支援先は、私のつながりの中でご紹介していただいた団体と、以前からのつながりの団体にさせていただきました。
芸術祭の開催までに支援先が確定しておらず、皆さまへのご報告が遅くなってしまい、申し訳ありません。

 

特定非営利活動法人 ファミリーホーム いぶき
http://family-ibuki.com/

◎一般社団法人 カリタス南相馬
https://caritasms.com/

 

2団体なので少額になってしまいますが、上記団体へ、しっかりとご寄付いたします。
寄付先にさせていただいた経緯も少しお話しします。

 

特定非営利活動法人 ファミリーホーム いぶきについて】

はじめ、「ファミリーホームって何?」と、私も思いました。
いぶきさんのホームページによると、「家庭事情で親と離れることになった0~18歳の子どもたちの生活する家です。現在全国に約220、県内では2箇所目、郡山では第1号になります。」とのことです。
児童養護施設は聞いたことがあっても、こちらはあまり聞きなれないですよね。
小規模住居型児童養育事業として運営されるといっても、子どもたちに対する行政からの補助金は学校の授業料のようなものだけ。
身につける衣服や靴、インフルエンザの予防接種などは寄付でまかなっていました。
ここではもともと6人の子どもを受け入れていましたが、台風の被害をうける前から、厳しい状況だったのがわかります(ということは、いぶきさんだけでなく、他の全国のファミリーホームも厳しい状況なのかもしれませんね)
ところが、台風が上陸する二週間くらい前から長雨が続き、10/12の上陸までの間に「自分では子どもをみれない」という親から、受け入れの依頼が次々と入ります。
そして、子どもたちは10人になりました。
ただでさえ厳しいにもかかわらず、人数が増え、より厳しい状況にあると思われます。
この事業に対する補助金の手当てが少ないことなど、根本的な問題が台風被害とは別にありますが、支援が行き渡る可能性が低いと感じたため、こちらへ決めさせていただきました。

 

【一般社団法人 カリタス南相馬について】

カトリックの方たちが運営しているボランティアベース。
東日本大震災後、福島だけでなく、宮城県内や岩手県内でも設置され、ボランティア活動や被災地を案内するなどの活動をしています。
ほとんどのボランティアベースは閉所しましたが、このカリタス南相馬は今でも活動されています。
というのも、福島県原発事故のあった原発に近い地域は、放射能汚染の影響で入れない地域、近年中に解除になったばかりの地域もあります。
解除になっていても、復興がだいぶ遅れていて、何年も空き家状態になった家の片づけを手伝うボランティアなどがメインでした。
そして、台風19号の被害をうけて災害ボランティアセンターを南相馬市も開設しましたが、ニーズはまだありますが11月中に閉鎖してしまうとのこと。
南相馬の災害ボランティアは、カリタス南相馬のような団体の活動がメインになるのではないかと思います。

 

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おわりに

原発事故のあった周辺地域は、あまりに各所で状況が異なり、現実に直面している人たちの現状も実に様々。

原発は、取扱説明書が充分にできていないようなもの。
組み立てたは良いけど、解体の方法がわからない。廃棄物は燃やすゴミでも資源ゴミでもない。動き始めたら、それが最後。

大量につくられ、一歩間違えれば大量の命をうばう原発

それを長年動かしてきて、都会へ大量の電力を送ってきた福島第一原発に、起こった事故。

チェリノブイリ原発事故が頭をよぎる中、偶然が重なり、幸いにもそこまでの規模には至らなかった。

それをいいことに、ギリギリアウトのところまで基準をあげ、「ここまでなら大丈夫」というボーダーラインとされてしまっている、恐ろしさ。

 

「 ぼくが ここに いるとき
  ほかの どんなものも
  ぼくに かさなって
  ここに いることは できない 」

 

10/27の二人芝居で詠んだ、まど・みちおさんの「ぼくがここに」

私たちは、重なって、束になって存在しているのではない。 

死者の数だけでは判断できるはずがないのです。

なににも代えることのできないはずの、命。

あれからどれほどの人たちが医療機関へ行き、不安な日々を過ごしているのか。

地元から引き離され、転校を余儀なくされた子たち、仮設住宅で自殺を選択する人たち。
たくさんできた野菜を捨てるしかなかった農家さん、自主避難をせずそこに留まった選択によって、数年後のわが子の未来を恐れるお母さんお父さん。

 

幸せになるために生まれてきた、と言えるほどやさしい現実とは思えない。

でも、私やあなたが、「ここにいる」ことこそが素晴らしく、それが脅かされてしまっては、決してならないと、私は思うのです。

 

 

以下のリンクは、おそらく現時点でのリアルタイムな台風19号による被害状況です。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191015/k10012131581000.html

非常に広範囲に大きな被害をもたらしたこの災害で、今だに避難所生活を送られている方もいます。
また、この記事によると、自宅であっても床下を乾かしているため、外気が入ってきて寒さが厳しくなっている方もいるとのこと。
この災害で亡くなられた方や遺族の方に、心からお悔やみ申し上げるとともに、被災者の方に一刻も早くあたたかい時間が訪れますように。

 

 

Special Thanks(順不同、敬称略)

■共催
NPO法人月と風と、TUMUGUBA(ツムグバ)、西正寺

■作品提供
ふじおかありさ、ポングリ、小林煌、ジョナ☆シェン、ふくの島展

■写真展示
桑田一夫、森下怜奈

■商品の販売
三春彩花、染めの会(南相馬農家民宿より)、南相馬ファクトリー(NPO法人ハッスル)

■出演協力
今井亜紀、山本峻平、アカリトバリ、かつふじたまこ、景山幸信、Rin、ケンみちのく&そねレンジャー、一般社団法人手話エンターテイメント発信団oioi、かいようせいぶつ、松田健

■11/3クロージングパーティ対談
古波津陽、木村紀夫

■協賛
8/18「ヨガと保養キャンプのお話し」参加者、9/7「いのちつむぐ紙芝居とライブと盆おどり」参加者、10/4「チャリティごはん会」参加者、キヨタドォーターCharity Birthday参加者(以上、芸術祭活動資金のためのチャリティーイベント)
Saki Fukuo、cats22、oshpink-moshi(以上、ポルカフレンドファンディングより)
ポレポレハウス、吉田悦造商店、放射能から豊中の市民・子どもを守る会、株式会社興夢テック、山本正勝、上原彩乃、中村大蔵、坂本敏子、石倉優子、引地奉子、古田拓也、鹿島くるみ、石井雅人、コミュニティナース立浪雅美、中平了悟、上田知則、坂本保子、芸術祭期間中に「運営費募金箱」にご寄付いただいた皆さん、いのちつむぐ芸術祭実行委員会のみんな

 

皆さま、本当にありがとうございました!
またどこかでお会いできますように。

 

いのちつむぐ芸術祭実行委員会
実行委員長 義岡 翼