つばの黄色いスニーカー

一度も会ったこともないあの人は、実はとても身近な人かもしれない。自分の足元だけ見て生きている時、わたしもあの人を不幸にしている、犯人かもしれない。

SONG OF THE EARTH fukushima

2018.3.11

SONG OF THE EARTH fukushima

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candle jun の love for nippon による
毎年恒例の福島の仮設住宅で行う無料フェス。

7年が経過し、8年目を迎えた3月11日
私は初めて福島県で過ごしました。

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いわき市双葉町の南台仮設住宅
たくさんの人たちが来ていた。
あの無機質な仮設住宅地帯が
こんなにも華やかな、優しい空間になるなんて。
無料イベントだから、スタッフや出演者たちは
ほぼ実費で来ているんだろうな。

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曇り空だった空が、渡辺俊美さんのステージで
段々晴れてきて、黙祷の時間も晴れ間が出ていた。

「やっぱすげえよ渡辺俊美~!」

という声が後ろから聞こえていた。笑
私も思わず、うんうん、と心の中で言った。


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14時30分頃にステージからラジオの音が流れた。国立劇場で政府の面々が集まって行われていた
東日本大震災七周年追悼式」の実況中継だった。

14時46分。

1分間静まり返る会場。

ラジオの実況の声が再開し、
安倍首相の話になる まさにそのタイミングに、
candle junが踵をきらすようにステージに上がった。

そのとき私は心底ほっとした。
今このときに、安倍さんの声を聞きたいと
思う人は、この場に何人いたのだろう。
あの場にしか流れていない、優しい空気感があった。
それは絶対に壊されてはいけないもの。



"今日はたまたまあっちでやってるみたいだけど、
俺たちは、このステージの裏にいる仲間たちは、
毎年福島に来ている。"

"東京に住んでいた者として、
原発を反対していた者として、
今までずっと謝ってきた。
でも、もうこれからは謝りたくない。
これからは、言いたいことを言いたい。"

"「福島の原発」っていうの、もうやめにしないか。
東京電力の1号機2号機とかって呼ぼうよ。
福島だけに放射能は飛び散ったわけではない。
いじめとか聞くの、もういやだ。
嫌な思いをさせてしまったらごめんなさい。
でも、ぜひ、今日来てくれた人たち、
賛成してくれたなら、周りの人に言ってほしい。"



力強くそう言った。

「福島の原発」という言葉で
今までずっと とてつもなく重く暗い物を
背負わされている人たちが、たくさんいる。

なぜか "福島" だけの問題になっているような
"復興" に向き合わされているような、
私は福島に来るたびに、そんな感覚になる。

しかしこの日は、この日だからこそ、

「たのしいね、うれしいね、おいしいね、ありがとう!」

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と言える時間を過ごしてほしい。
ライブやマーケットやワークショップや大道芸と、
大人も子どもも楽しめるイベントは、
その思いが詰まっていた。

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南台仮設住宅には、優しい空気が流れいて
それでいて切ない気持ちにもなった。
なんとも言えない空気感。

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子ども達の楽しそうな声。
大人達の笑顔。

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7年を迎えた3.11は
この場に私もご一緒させていただき、
とても嬉しかった。心からありがとうを言いたい。

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